ＮＨＫの『総合診療医ドクターＧ』を見ていたら、
くり返される腰痛に【　筋膜リリース　】の治療をしたら改善された、という
症例が紹介されていました。

筋膜リリースって、私が十五年以上施術している
深部組織マッサージの手技なんです。
正直見ていて、「注射なんかしなくてもできるじゃん」と
思ってしまいました。放送回の概要は
こちら（http://yonta64.hatenablog.com/entry/doctorg/2016-0121-%E8%85%B0）です。

（１）まず、筋膜って何？って話から

最初に、「蜜柑」を一個想像して下さい。
ミカンを食べようと思ったら、黄色い外皮を剥きます。
この外皮が人間の肌にあたります。

外皮を剥くと、それぞれ白っぽい薄皮に包まれた小房が現れます。
この、小房をくるんだ白っぽい薄皮が、
筋肉を包みこんでいる繊維状の膜（筋膜）です。
そして、白っぽい薄皮でくるまれたミカンの房が、筋肉に相当します。

ミカンの房が、一個ずつ薄皮でくるまれているように、
全身の筋肉は一個ずつこの筋膜の薄皮にくるまれ、上腕筋や背筋、ふくらはぎといった
個別の筋肉として独立し、機能しています。

（２）腰痛や肩こりの要因のひとつは、筋膜の癒着

筋肉が凝って堅くなっているときは、
筋肉の房をくるむ筋膜も癒着し、くっついてしまっています。
この筋膜同志の癒着が、腰痛や肩こりなど広範囲の身体の「痛み」となって現れます。

総合診療医ドクターＧでは、
癒着が起きている部分をレントゲンで映し出しながら、そこに神経ブロック注射をして、筋膜の癒着を解消し、ギックリ腰を治療しました。

（３）筋膜リリースとは

その筋膜の癒着を、筋膜リリースマッサージでは、施術者が手技で剥がします。

筋膜リリースの施術者の手は、よく、
「手刀」
だと表現されます。

まさしく、この施術者の手刀のメスを使って筋膜の癒着を切り離し、
個々の筋肉の、本来の自由な動きを回復させます。

（４）筋膜リリースは、こんな方におすすめです。

＊慢性の肩こり、腰痛、頭痛、倦怠感
＊手術、ケガのリハビリ
（筋肉が傷つくと、治癒の過程で筋膜同志が癒着してしまい、関節痛や肉離れなど、
　別の問題やケガの要因につながることもあります）
＊スポーツ、ダンスなど、パフォーマンスの向上
（癒着した筋膜をリリースすると、体の可動域が広がります）

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